クラシック音楽を聴くのにも、ある種の波があって、古典派を集中して聴く時期があれば、後期ロマン派の濃厚な世界にどっぷりはまる時期もあり、その時々の環境や気持ち、精神などで偏りと嗜好が顕著に表れる。 当然ながら「ヘビロテ」と言える回数になってい…
「ライフワーク」に対して「ライスワーク」という言葉も聞かれる今日この頃。 やりたいことを仕事に、やりがいあることを仕事に、そういった主張の自己啓発本も書店に行けばたくさん並んでいて、また多くの人が実際そういう希望を持っている。もちろん私も。…
こんにちは。 先日、関西随一の星空スポット、奈良県と三重県にまたがる「大台ヶ原」に行ってきた。 山歩きが好きなので山で星を見る機会は何度もあったけど、それでも天候などの条件が揃わないとなかなか天の川も見れないもの。先日の大台ヶ原は上弦の月で…
習慣になりつつあるランニング。いつもの市街地では飽きがくるので、休みの午後、快晴の河川敷を走ってきた。自宅からは少し距離があり、走っていくのはまださすがに厳しいので、車で近くまで行く。広い空の下、川という自然なラインに沿って、とても心地よ…
思考の断片を言語化して残しておくこと。難しい言い方をしたが、日記がその最も身近なものかもしれない。 少し前はブログブーム、今やSNS全盛だけど、雑貨店や書店に日記帳のコーナーがあって様々な商品が並んでいるのを見ると、やはり紙に言葉を残していく…
良い本を読むと、身体の内から力がこんこんと湧いてくる。 ペシャワール会の中村哲医師の著作『天、共に在り』は、まさにそういう本である。 中村哲医師は、パキスタンのペシャワールに医師として赴任して以来、パキスタン=アフガニスタン地域での医療活動…
本書は、知的興奮を味わえる読み物であるだけでなく、巷にあふれる「絆」という言葉や、今見直されているコミュニティーの繋がり方を考える上で重要な知見を与えてくれる良書、すばらしい研究の成果である。 生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ…
できるだけ主観を排して、歴史の現場に立ち会わせてくれるという変わった歴史小説。 ローランド・ビネ著『HHhH プラハ、1942年』は、2010年ゴンクール賞最優秀新人賞受賞、2014年本屋大賞翻訳小説部門第1位と、軒並み高評価を受けているキラキラした小説であ…
長い間放置してしまった。 ろいろともがいているのだけれど、もがけばもがくほど深みにはまるというか、木々を詳しく調べることに一生懸命になり、なんという森かを忘れてしまう。そういう人生の深み、あるいは淀みにはまっているのであります… さて、昨日一…
「憧れ」の田舎暮らし、「老後」は田舎で。 人からもよく聞く夢、書店の雑誌なんかにもよく見る題目。 しかし、本当に田舎暮らしは、憧れや老後にするものなのだろうか。都会を離れないと田舎には住めないのだろうか。そういう、重大な覚悟が要求されるもの…
東日本大震災は、地震や津波という破壊ではなく、放射性物質による汚染という形で「ふるさとを失う」という、考えたこともなかったような不幸が福島を襲った。この福島の方々の悲嘆を見て、自らも「ふるさと」について考えたり、想ったりした人はきっと少な…
先日、ある鉄道好きの人が話していたことに、強い違和感を感じた。その人は、ある車両が好きなのだけど、その車両は一般的には勝手が悪くて、利用者の評判が良くないからあまり走って欲しくない、という話をしていたのだ。 この人は自分の嗜好と一般の評判が…
以前、朝日新聞で掲載された高野秀行さんと角幡唯介さんの対談で興味を持った本を読んだ。 ジョン・ガイガー著『奇跡の生還へ導く人 極限状況の「サードマン現象」』 単行本版を購入して読んだのだが、つい先日(先月末)文庫本化されていたようで、このタイ…
音楽、とりわけクラシック音楽にのめり込み5年ほど経ったが、改めてその世界の深さに驚く。 クラシック音楽で最初に関心したのは、同じ曲でも指揮者で全く演奏が変わることということである。「指揮者なんて誰がやったって一緒でしょ?」というのは、クラシ…